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「どうせすぐ小さくなるから」と、大きめの靴を選んでいませんか? 子どもの足は成長とともに変化するため、靴のサイズや形が合っているかを定期的に確認することが大切です。
この記事では、薬剤師の視点から、子どもの靴選びで確認したい7つのポイントを解説します。足長・足幅の測り方、試し履きの方法、買い替えの目安まで、家庭で実践できる内容をまとめました。
※この記事は一般的な情報を提供するもので、個々の子どもの足の状態を診断するものではありません。足の痛み、明らかな変形、歩き方の異常などが気になる場合は、靴の見直しだけで済ませず、整形外科などの医療機関に相談してください。
子どもの靴選びが大切な理由
子どもの足は成長・発達の途中にあり、足の長さだけでなく、幅や形も年齢とともに変化します。そのため、以前はぴったりだった靴が、いつの間にか合わなくなっていることがあります。
靴が小さすぎると、足指やかかとが圧迫されたり、歩行時に不快感が生じたりする可能性があります。一方、大きすぎる靴や足に合わない形の靴では、足が靴の中で動きやすくなるため、サイズだけでなく、幅・甲の高さ・かかとのフィット感も確認しましょう。
日本フットケア・足病医学会の「小児靴の手引き書 第二版 2024」では、子どもの靴選びについて、適切なサイズに加え、かかとの安定性、足を固定する機能、足の動きに合った靴底の屈曲性などが重要なポイントとして示されています。
参考:日本フットケア・足病医学会「小児靴の手引き書 第二版 2024」
子どもの靴選びのコツ7つ
1. 両足を測り、大きいほうの足を基準にする

靴を選ぶときは、片足だけで判断せず、左右両方の足を測りましょう。左右で足の長さや幅が異なる場合があるため、基本的には大きいほうの足を基準に靴を選びます。
計測するときは、かかとを床につけ、足に体重をかけた立位で測る方法が参考になります。可能であれば、靴店などで足長・足幅・足囲を計測してもらいましょう。
夕方は足が大きくなっている場合があるため、計測する時間帯の参考になります。ただし、夕方に測ることだけにこだわる必要はありません。重要なのは、実際に立っている状態の足の寸法を確認し、試し履きでフィット感を確かめることです。
2. 足長だけでなく、足幅・足囲も確認する
靴選びでは、足の長さだけでなく、足幅や足囲(足の周囲の寸法)も確認しましょう。同じ足長でも、幅が広い足、甲が高い足、かかとが細い足など、形には個人差があります。
日本産業規格(JIS)には、一般歩行用の靴のサイズを定めた「JIS S 5037」があります。ただし、実際の靴のサイズ展開やフィット感は製品によって異なります。「19cm」「EE」などの表示だけで判断せず、メーカーのサイズ案内を確認し、試し履きで足に合うかを確かめましょう。
参考:日本規格協会「JIS S 5037:1998 靴のサイズ」
3. つま先には適度なゆとりを確保する

歩くときには足が靴の中でわずかに動くため、つま先には適度な余裕が必要です。日本フットケア・足病医学会の公開資料では、靴のつま先に設ける「捨て寸」として、約10mmを目安にする考え方が紹介されています。
ただし、必要なゆとりは靴の形状や設計によって異なります。表示サイズに一定の寸法が加算されている製品もあるため、単純に足長へ10mmを足したサイズを選べばよいとは限りません。
試し履きでは、立った状態で最も長い足指の前に余裕があり、指先が圧迫されていないことを確認しましょう。つま先が広がるスペースも必要です。反対に、靴の中で足が大きく前後にずれる場合は、サイズや形が合っていない可能性があります。
参考:日本フットケア・足病医学会「子どもの足を守り、健やかに育てるための『子ども靴の選び方』」
4. かかとを合わせ、ベルトやひもで足を固定する

靴を履くときは、かかとを靴の後方に合わせてから、ベルトやひもを適度に締めましょう。かかとが大きく浮いたり、歩くたびに足が前へ滑ったりしないかを確認します。
面ファスナーやひもなどの留め具は、足を靴の中で安定させるために役立ちます。ただし、締めすぎて足の甲が圧迫されないように注意してください。子どもが自分で履く場合も、かかとを合わせてから留める習慣をつけるとよいでしょう。
5. 足指の付け根で曲がり、かかとが安定する靴を選ぶ
靴底は、足指の付け根付近で自然に曲がり、足の動きに合っていることが目安です。靴を手で曲げて確認するだけでなく、かかと部分が簡単につぶれないか、靴底が過度にねじれないかも確認しましょう。
ただし、すべての子どもに同じ硬さの靴が適しているとは限りません。歩き始めの子どもと、活発に運動する学童期の子どもでは、必要な機能が異なります。年齢や活動内容に合った靴を選び、実際に歩いたときの安定性や履き心地を確かめることが大切です。
6. お下がりや大きめの靴は慎重に選ぶ
お下がりの靴は、前の持ち主の使用状況によって、かかとや靴底がすり減っていたり、靴の形が崩れていたりする場合があります。使用する場合は、靴の状態を確認したうえで、子どもの足に合っているかを改めて確かめましょう。
また、成長を見越して大きすぎる靴を選ぶことも避けましょう。大切なのは、将来の足の大きさではなく、現在の足に適切なフィット感が得られることです。
靴はブランドやモデルによって形状が異なるため、同じサイズ表記でも履き心地が違う場合があります。サイズ表示だけで決めず、試し履きで確認してください。
7. 定期的に足と靴をチェックする

子どもの足は成長に伴って変化するため、定期的な計測と靴の状態確認が必要です。日本フットケア・足病医学会の公開資料では、計測・サイズ確認の目安として、3歳までは3か月ごと、6歳までは4か月ごと、7歳以降は6か月ごとという頻度が紹介されています。
これは一律の買い替え時期を保証するものではありません。成長の速さには個人差があるため、次のような変化があれば、予定より早くサイズや靴の状態を確認しましょう。
- 靴を履くのを嫌がる、脱ぎたがる
- 歩くと足が痛いと訴える
- 足に赤みや靴ずれができる
- つま先が圧迫されている
- かかとが大きく浮く、歩くと足が前後にずれる
- 靴底のすり減りや、かかと部分の型崩れが目立つ
足の痛みや皮膚のトラブルが続く場合は、靴を買い替えるだけでなく、医療機関で原因を確認することも検討してください。
試し履きのチェックリスト
購入前には、次の項目を確認しましょう。可能であれば両足に靴を履き、普段使う靴下を着用して、立つ・歩く動作を試します。
| チェック項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 足長・足幅・足囲 | 両足を測り、足の形に合うサイズを選ぶ |
| つま先のゆとり | 立った状態で、指先が圧迫されていないか確認する |
| 足指のスペース | 足指が横方向にも窮屈になっていないか確認する |
| かかとのフィット感 | かかとを合わせて固定し、歩いて大きく浮かないか確認する |
| 留め具 | ベルトやひもで適度に固定できるか確認する |
| 靴底 | 足指の付け根付近で曲がり、過度にねじれないか確認する |
| 歩きやすさ | 店内を歩き、痛み・圧迫感・脱げやすさがないか確認する |
子どもが「痛くない」と答えても、それだけでサイズが合っているとは限りません。特に小さい子どもでは、保護者がつま先・かかと・足の甲の状態も確認しましょう。
場面別の靴選びで気をつけたいこと
運動靴・通園靴
毎日履く靴は、足の形に合ったサイズ、かかとの安定性、足を固定できる留め具、活動内容に合った靴底を確認しましょう。通園・通学や運動など、使用する場面に応じて必要な機能も変わります。
長靴
長靴は、形状によっては足やかかとが動きやすいことがあります。長さだけでなく、歩いたときに脱げそうにならないか、足指が圧迫されていないかを確認しましょう。必要以上に大きなサイズを選ぶことは避けてください。
サンダル
サンダルを選ぶ場合は、足に合ったサイズで、歩行時に脱げにくい構造かを確認しましょう。活動内容や年齢によっては、足全体をより安定して固定できる靴のほうが適している場合があります。
また、消費者庁は、エスカレーターでサンダルなどの履物や衣類が挟み込まれる事故について注意を呼びかけています。保護者は子どもと手をつなぎ、黄色い線の内側に立ち、エスカレーターでは歩かずに利用しましょう。
こんな症状があるときは医療機関へ
靴のサイズや形が合っていないことが足の不快感に関係する場合もありますが、すべての症状が靴だけで説明できるわけではありません。次のような場合は、整形外科などの医療機関に相談しましょう。
- 足の痛みを繰り返し訴える
- 歩き方が左右で明らかに違う、または急に歩き方が変わった
- 足の形に強い左右差や変形がある
- 靴ずれや傷が治らない
- 傷が赤く腫れて熱を持つ、膿が出る、発熱を伴う
- 足を痛がって体重をかけられない、歩けない
特に、急に歩けなくなった場合や、強い痛み・腫れ・発熱を伴う場合は、早めに医療機関で評価を受けてください。
サイズ計測・靴選びに役立つもの
家庭で靴のサイズを確認する際には、足長を測るための計測シートや、靴の内寸を確認できる用具などが参考になります。ただし、計測用具だけで足幅・甲の高さ・かかとのフィット感まで正確に評価できるとは限りません。

初めて靴を選ぶときや、サイズが合っているか判断しにくいときは、子どもの靴選びに詳しい店舗などで計測と試し履きを行うとよいでしょう。商品を購入する場合は、メーカー公式サイトで対象年齢、測定方法、使用上の注意、返品・交換条件を確認してください。
※本記事では、仕様・価格・販売状況を確認できていない特定の商品を推奨していません。商品を紹介する場合は、公式情報を確認し、実際の仕様と注意点を記載してください。
よくある質問
Q. 子どもの靴はネットで購入しても大丈夫ですか?
A. ネット購入も選択肢の一つですが、サイズ表示だけで判断しないことが大切です。可能であれば、事前に店舗などで足長・足幅・足囲を測り、実際に合う靴の形状を確認しておきましょう。ブランドやモデルによってフィット感は異なるため、商品ごとのサイズ案内や返品・交換条件も確認してください。
Q. 靴下は試し履きに関係しますか?
A. 関係します。靴下の厚さによって履き心地が変わることがあるため、試し履きでは普段履く靴下を使用しましょう。靴下を履いた状態で、足指の圧迫やかかとの浮きがないか確認してください。
Q. つま先に余裕があれば、大きめの靴でも問題ありませんか?
A. つま先の余裕だけでは判断できません。靴の中で足が前後に動いたり、かかとが大きく浮いたりする場合は、長さ・幅・形状が合っていない可能性があります。足の形に合い、歩いたときに安定する靴を選びましょう。
Q. 靴のサイズはどれくらいの頻度で確認すればよいですか?
A. 日本フットケア・足病医学会の公開資料では、3歳までは3か月ごと、6歳までは4か月ごと、7歳以降は6か月ごとを目安とする方法が紹介されています。ただし、成長の速さには個人差があります。痛みや圧迫感、靴の劣化などがあれば、その時点で確認してください。
まとめ|子どもの足に合う靴を選ぼう

子どもの靴選びでは、サイズ表示だけでなく、足の形・つま先の余裕・かかとの安定性・歩きやすさを総合的に確認することが大切です。
- 両足を測り、大きいほうの足を基準にする
- 足長だけでなく、足幅・足囲も確認する
- つま先に適度な余裕を確保する
- かかとを合わせ、ベルトやひもで足を固定する
- 足の動きに合った靴底と、安定したかかとを選ぶ
- 大きすぎる靴や、状態の悪いお下がりは慎重に判断する
- 成長に合わせて定期的に計測し、靴の状態を確認する
足の痛みや歩き方の異常がある場合は、靴だけの問題と決めつけず、必要に応じて医療機関に相談してください。日頃から足と靴の状態を確認し、子どもが快適に歩ける環境を整えましょう。
参考情報・参考文献
- 一般社団法人 日本フットケア・足病医学会「子どもの足を守り、健やかに育てるための『子ども靴の選び方』」
- 一般社団法人 日本フットケア・足病医学会「小児靴の手引き書 第二版 2024」
- 日本規格協会「JIS S 5037:1998 靴のサイズ」
- 消費者庁「エスカレーターでの事故に注意しましょう!」
- Matthias E, Banwell HA, Arnold JB. Children’s school footwear: The impact of fit on foot function, comfort and jump performance in children aged 8 to 12 years. Gait & Posture. 2021;87:87–94. PubMed掲載情報
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個々の足の状態や疾患について診断・治療を行うものではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。


